エリック・カールさんが5月23日、91才で亡くなられました。
彼の代表作「はらぺこあおむし」のお話しは、私たちにとってとても大切なもの。
定例のおはなし会、幼稚園、保育園、人形劇まつりなどで何度も取り上げ演じて来ました。
そして・・・えっ、この絵本が「ミニシアターはらぺこくん」というグループ名の元?
そんなことも含め「はらぺこあおむし」にまつわることを、くまちゃんが書きました。
今日は「KUMAちゃんの絵本案内」配信日ではありませんが、お届けいたします。
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『大好きなエリック・カールさんが亡くなられた日に』
大好きなエリック・カールさんが亡くなられました。
世界中の子ども達に、たくさんの素敵な宝物のような絵本をありがとうございました♡
カールさんの遊び心たっぷりなチャーミングな笑顔と作品の数々が大好きでした。
これからの世代の子ども達にも、きっとずっと、宝物たちは受け継がれて行くことでしょう。
実は、私たち「ミニシアターはらぺこくん」という会のネーミングは、「はらぺこあおむし」の絵本と大いに関係があるのです。
1986年、はらぺこくん発足時に、会の名前を何にしようか、当時のメンバー3人で話しました。
○会の言い出しっぺの熊谷が、大人になって初めて、観客としてこの絵本の読み聞かせを経験したのが「はらぺこあおむし」。最後のページ(さなぎがちょうちょになるところ)で鳥肌が立った
○大飯食らいの熊谷が、しょっちゅう「お腹がすいたお腹がすいた」と言う
○英語のタイトル「THE VERY HUNGRY CATERPILLAR」の中のHUNGRYからの連想で「いつもハングリーな気持ちでいたいよね」と
この3点から
→「小さな劇場=ミニシアター」
→「ミニシアターはらぺこ」→ちょっと直接的な感じだから「くん」とか付けとく?
→じゃぁ→「ミニシアターはらぺこくん」ね。
と割と軽〜いノリで名前が生まれました。
もうひとつの候補は「おはなしクリックロック」でした。
クリックロックも、何となくの音から。ちょっとロックな感じ?
でもとにかく、もう来ちゃいました「ミニシアターはらぺこくん」で35年。
はらぺこくんが緑綬褒章をいただいた時、当時千葉県知事だった森田健作さんがパーソナリティーを務められていたラジオ番組に出演させていただきました。
その時はじめて「はらぺこくんって何て可愛い名前!」と言われたのでした。
会の名前を「はらぺこあおむしくん」と間違えられたことは数知れず、笑。
さて、以下は熊谷の個人的な話しとなりますが、「はらぺこあおむし」の絵本の思い出から、懐かしい風景が浮かびましたので書かせていただきますね。
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私の絵本人生の始まりの1冊は「はらぺこあおむし」でした。私はこの絵本と共にいろいろなところに出かけて行きました。柏市や近郊、ニュージーランドのオークランドの小学校日本語クラス、中国南京市の幼稚園など。
あまりにも本がボロボロになり何度か買い換え、今は家にこの3冊があります。
取り出した1冊には、英語と中国語、原文の翻訳ではなく、語りかけ用の言葉が書き込まれています。
もう20年以上前になる、中国の南京市の幼稚園での様子が浮かんできました。
「アタマに緑の帽子をかぶってて、赤くて、回りにつぶつぶが付いているモノなぁに?」と拙い中国語で語りかけると、「シャオメイ!シャオメイ!シャオメイ!(草莓。いちごの意味)」の大合唱。その時の子どもたちのキラキラした目と言ったら!思い出すと、今でも心震えます。
普段は全く緊張せず、アガることがない私ですが、この時の幼稚園での一人おはなし会の時は、終了後、お部屋を出た途端、膝がガクガクと震えました。
こんな経験は後にも先にもこの時だけです。
その後、子どもが通っていた幼稚園で、はらぺこあおむしのストーリーを音楽形式の子どもの表現遊びとして運動会で発表してみたいという話しが持ち上がり、全ストーリーにオリジナルの音楽を付けるという作業をしました。確か30分ほどの音楽劇でした。各シーンを想い浮かべ、はらぺこあおむしの世界を声ではなく音楽で表現する。それは大変でしたけれど、楽しく新鮮な作業でもありました。
考えてみれば、これらのことは「はらぺこあおむし」の絵本との出逢いがあったからこそ起きた、私の人生の中での特別な経験でした。
「はらぺこあおむし」よ永遠なれ〜!
熊谷道子
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カールさん、あちらに行かれても、遊び心たっぷりなチャーミングな笑顔で回りを幸せになさってくださいね。心よりご冥福を申し上げます。